推理小説の部屋

ひとこと書評


掟上今日子の推薦文/西尾維新 (講談社文庫)

★★★☆ 

掟上今日子の忘却探偵シリーズ第2弾。前回の語り手だった厄介くんは残念ながらお払い箱となったようで、 今回は警備員の親切(おやきり)くんと、美術を巡る2つの謎(3章あるけど)に挑みます。

「最速の探偵」の名に恥じぬ解決っぷり。真相はほぼ初見で見抜いていて、後は検証作業。 しかしそんな今日子さんに振り回される親切くん、という構図。

厄介くんは1作目で解雇されてしまいましたが、親切くんは3作目以降も出てきそうですね。

(2019.02.03)


恋と禁忌の述語論理/井上真偽 (講談社文庫)

★★★☆ 

「その可能性はすでに考えた」「探偵が早すぎる」の井上真偽のデビュー作が文庫化。 メフィスト賞受賞作。

天才数理論理学者で、既にセミリタイアして悠々自適の隠遁生活を送る硯さん。 そこに大学生である甥の詠彦が、事件を持ち込み、硯さんが論理学で解明する、 という構図。ただ、持ち込む事件は既に他の探偵により、解決済み。 硯さんは検証する、というところが変わってます。

探偵も1話目はおっとり美人の花屋探偵、2話目は現役女子大生経営コンサルタント探偵、 そして3話目は「その可能性はすでに考えた」の上苙丞が登場。 というか、こっちの方が先だったわけですね。

検証に使う論理も、1話目は古典論理、2話目は直感主義論理、3話目は様相論理、 と段々とレベルアップしていく細かさ。

まあ、これが第一作だと、さすがにハードルが高過ぎて、 他の作品に比べて文庫化が遅れた理由はわかります。 しかし、らしさは存分に一作目から発揮されていますね。

(2019.01.24)


王とサーカス/米澤穂信 (創元推理文庫)

★★★☆ 

ジャーナリスト・太刀洗万智シリーズ長編第1弾。新聞社を辞め、フリーになった万智が、 ネパールで海外旅行特集の取材で滞在中、国王の殺害事件が勃発する。 果たして万智の初仕事で、王族殺害の真相スクープをものにできるのか?

「探偵が事件に対してどう取り組むべきか?という後期クイーン問題のような命題を包含したテーマ。 ジャーナリストとなれば、何を報道して何を報道しないか、その選択が書き手に委ねられることになります。 万智は、取材の途中、そんなジャーナリストとしての姿勢に対する質問を突き付けられ、 苦悩し、最終的に彼女なりの結論を出します。

警官2人につかれて、万智が覚醒してからの加速感がたまりませんでした。

(2019.01.12)


Can't Fear Your Own World I・II・III/成田良悟・原作:久保帯人 (JUMP J BOOKS)

★★★☆ 

I・IIは「ジャンプ+」で無料配信され、完結編となるIIIは買って読んでね、という戦略。 まんまと乗らされました……。

「BLEACH」の公式スピンオフですが、一護が最後まで出てきません。 主役は九番隊のヘタレ副隊長・檜佐木。対する敵は、四大貴族の一つ、綱彌代家の当主・時灘。 さらに、死神・虚・滅却師・人間(完現術師含む)と霊王の欠片を混ぜて次代の霊王とするべく作られたびっくり合成死神の産絹彦禰。 尸魂界・現世・虚圏の危機に、死神・破面・滅却師・完現術師の混成パーティーが共闘する展開に。

まあ良くこれだけのキャラクターをそれぞれに見せ場を作って動かせるな、と感心しました。 原作では未登場だった、平子と檜佐木の卍解も登場。 公式スピンオフとして、原作ファンには十分満足できる仕上がりになっています。

(2019.01.06)


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