推理小説の部屋

ひとこと書評


スリジエセンター1991/海堂尊 (講談社文庫)

★★★☆ 

「ブラックペアン1988」「ブレイズメス1990」に続く、桜宮の過去シリーズ完結編。

「スカラムーシュ・ムーン」でモンテカルロ資金の源となっていた天才外科医・天城雪彦と、 彼を巡る東城大付属病院のドロドロした政治の話。 そして佐伯体制が崩壊し、盤石の高階体制が築かれるまで。

高階権太の「田口へ丸投げ」メソッドは、この時期に確立されたのですね。

これで桜宮サーガは全部読んだことになるのかな、多分。

(2018.09.29)


聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた/井上真偽 (講談社文庫)

★★★☆ 

「探偵が早すぎる」がドラマ化された井上真偽、もう一つの代表作「その可能性はすでに考えた」の続編が文庫化。

古い因習の残る田舎町で行われた結婚式。盃に注がれた酒を回し飲みした男女のうち、 飛び石で男3人のみがヒ素中毒で死んだ。果たしてそのようなトリックが可能なのか? それともこれは祟り神・カズミ様による「奇蹟」なのか?

今回、途中である人物が犯人は自分である、と(読者にだけ)告白をするんですよね。 その時点で、犯人はいるわけで、奇蹟ではあり得ないわけですが、 上苙はそれをどうやって奇蹟だと証明するのか?というところが見所です。

(2018.08.13)


掟上今日子の備忘録/西尾維新 (講談社文庫)

★★★☆ 

新垣結衣主演で実写ドラマ化もされた「忘却探偵」シリーズが、ついに文庫化。

1日しか記憶が持たない、最速にして忘却の探偵、掟上今日子さん。 探偵ならではの守秘義務を守るという意味ではこれ以上ない特技(?)ですが、 しかし一日以内で解決しなくてはならない、という縛りもあります。

今回、初登場編ということで、そんな今日子さんの特性を活かした事件が含まれていました。

語り手(ワトソン役)の厄介は、原作では巨体という設定なんですね。 岡田将生とは大分印象が違うなあ。

(2018.07.24)


スカラムーシュ・ムーン/海堂尊 (新潮文庫)

★★★  

医学界の大ボラ吹き・彦根新吾は、霞が関が仕掛けてくる「ワクチン戦争」に先立って、 インフルエンザワクチンを独自に製造するルートを獲得しようとしていた。 さらに「天下三分の計」を実現するための資金調達のために、欧州へと旅立つ……。

「ナニワモンスター」の続編。そしてどうやら桜宮サーガとしては最後の作品になるそうです。

ナナミエッグパートはとても読みやすいのですが、霞が関・検察パートになると、 どうしても読み進むのが遅くなってしまって、かなり時間がかかってしまいました。 検察がその気になれば何でもアリだから、正直興味が持てないんですよね……。

あと桜宮サーガで未読なのは「スリジエセンター」だけかな?

(2018.07.16)


火星に住むつもりかい?/伊坂幸太郎 (光文社文庫)

★★★☆ 

「安全地区」に指定された都市で、住人の監視と密告により「危険人物」と認められた者を取り締まる「平和警察」。 衆人環視のもと、ギロチンによる公開処刑が執行される不条理な世界で、 全身黒いライダースーツに身を包んだ「正義の味方」が現れる。 果たしてその正体は?

前半、大分しんどいところもありますが、伏線回収が始まる第3部からはもうノンストップ、 って感じでした。 相変わらず伏線の張り方が周到ですね。

(2018.06.02)


真実の一〇メートル手前/米澤穂信 (創元推理文庫)

★★★☆ 

「さよなら妖精」に出てきた少女・太刀洗万智が、成長してジャーナリストとして登場。彼女が追う先に隠された残酷な真実とは?

どれも、表面的に見えている事件の様相と、真実とのギャップに驚かされる、というタイプの短編集です。

告白文書が実は……という「ナイフを失われた思い出の中に」がなかなか良かったです。

(2018.04.11)


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