推理小説の部屋

ひとこと書評


11文字の檻/青崎有吾 (創元推理文庫)

★★★☆ 

青崎有吾のノンシリーズ短編を収めた短編集。

「加速していく」は福知山線の脱線事故と絡めた短編。 何気ない伏線から真相へとたどり着くところはさすが。

「噤ヶ森の硝子屋敷」は全てガラスで作られた屋敷で起きた密室殺人事件。 トリックそのものもこの設定ならではですが、探偵&助手のインパクトが強過ぎて全部持ってかれました。

「前髪は空を向いている」は「わたモテ」の公式二次創作だそうで。 「わたモテ」知らないですが、それでもキャラクターはよくわかりました。

「your name」「飽くまで」はショートショート。 「クレープまでは終わらせない」はちょい近未来SFといった感じ。

「恋澤姉妹」は「百合小説アンソロジー」に収録されたという短編。 百合要素も確かにありますが、アクション物として読んじゃいますね。

表題作「11文字の檻」はノーヒントで脱出のための11文字のパスワードを当てるという、 デスゲーム風デストピア物。わずかな手掛かりを元に真相を手繰り寄せるプロセスが秀逸です。

(2022.12.30)


ノッキンオン・ロックドドア2/青崎有吾 (徳間文庫)

★★★☆ 

ノッキンオン・ロックドドアの続編。 前回で主要人物は全部揃っていたかと思っていましたが、もう一人忘れていましたね。 4人のゼミの先生、天川教授。

今回は穿地警部補の一人称「穿地警部補、事件です」もあり。一人称がそれぞれ、

と区別できるので、混乱なく読み進められます。

そしてついにエピソード0とも言うべき「5年前の密室殺人未遂事件」の真相が解き明かされます。 あれ、ってことはもうこれでシリーズ終わりなんでしょうか。

ドラマ化されたら、最後のエピソード0部分だけ映画化もありだなあ、とか妄想してました。

(2022.12.15)


ノッキンオン・ロックドドア/青崎有吾 (徳間文庫)

★★★☆ 

探偵事務所「ノッキンオン・ロックドドア」には二人の探偵が。 「不可能」(密室などのトリック)専門、巻き毛の悪魔のような男・御殿場倒理。 「不可解」(動機や不自然な状況)専門、眼鏡スーツの地味男・片無氷雨。 探偵と助手ではなく、自分の得意分野を活かしながら協力して謎を解く、新たなバディスタイル。

話によって、語り手が倒理になったり、氷雨になったり、はたまたバイトの女子高生・薬子ちゃんになったり、 と色々変わるので、その視点から見た人物描写が新鮮です。 女性警部補の穿地と、犯罪アーティストの美影と、4人で大学のゼミ生だった、という設定もあり、 倒理が夏でもタートルネックしか着なくなった理由が秘められた過去編も気になるところ。

これ、主人公二人にイケメン俳優起用してドラマ化したらウケそうだけどなあ。 フジ月9というよりは日テレ日10って感じですが。

(2022.12.10)


史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記1980-1989/戸部田誠(てれびのスキマ) (双葉社)

★★★★ 

「アメリカ横断ウルトラクイズ」でも伝説となった第13回大会。 優勝した長戸の視点で物語を再構成したドキュメント小説。

懐かしかったです。他のメンバは忘れてしまってますが、長戸、秋利、永田の3人は今でも顔が浮かびますね。

(2022.11.21)


法月綸太郎の消息/法月綸太郎 (講談社文庫)

★★★  

30周年で刊行された法月綸太郎シリーズの短編集。 安楽椅子探偵モノ2編を、ホームズとポアロのメタミステリで挟む、という構成。

安楽椅子探偵モノ2編は、2人が自殺に見せかけて殺された?が遺書がなぜが逆だったという「あべこべの遺書」と、 まだ被害者が死んでないのに自首してきた男、そしてその後被害者は本当に殺されてしまったという「殺さぬ先の自首」。 どちらもシチュエーションはとても魅力的ですが、ディスカッションだけで解き明かすにはちょっと無理があるかなあ、 という気も。

メタミステリもの2編は、 ホームズ最後期には2作品のみワトソンによる記述でなくホームズ自身の手記という形式をとった作品がある謎を解き明かす「白面のたてがみ」、 そしてエルキュール・ポアロに双子の兄・アシルはいたのか?を解き明かす中編「カーテン・コール」。 どちらも読み物として楽しめます。

(2022.11.01)


監禁探偵/我孫子武丸 (実業之日本社文庫)

★★★☆ 

元々漫画の原作として我孫子武丸さんが書いたプロット、その後映画化され、最後に小説化された、 という珍しい経緯を経た作品。キャラ萌え+究極の安楽椅子探偵モノ。

親のコネで入れてもらった会社も辞め、向かいのマンションの女性を盗撮する亮太。 ある日、その女性の下着を盗もうとベランダに登ったところ、その女性の死体と出くわす。 慌ててマンションの部屋に戻ってきた亮太には、ベッドに繋がれたアカネという少女が待っていた……。

自ら飛び込み、監禁されることで、内側から解決する探偵、ということでしょうか。 第2話ではひき逃げされて入院患者として「監禁」され、第3話では第1話と第2話でアカネと関わった男たちが、アカネを探し回ります。

(2022.10.19)


凛の弦音/我孫子武丸 (光文社文庫)

★★★  

奥さんの影響で自分も弓道を始めたという我孫子武丸先生が描く、高校弓道部活もの。 青春物なのかと思いきや、ちゃんとミステリと絡めてありました。

高校1年生の篠崎凛は、恩師の家で起こった殺人事件を解決したことから、「弓道名人は名探偵」と呼ばれるようになり……。

解く謎も、フーダニット、ホワイダニット、ハウダニット、とバリエーション豊富。 ライバルの女王が登場して以降は「凛はなぜ弓道をやるのか」の方に力点が移っていきますが。

(2022.10.17)


おじさんのトランク 幻燈小劇場/芦辺拓 (光文社文庫)

★★★  

脇役俳優の「私」は、プロデューサーから、幼い頃に出会った「おじさん」を題材にした舞台をしてみないか?と持ちかけられる。 記憶を頼りに訪れた館で手に入れたトランクの中には、絵葉書、植物標本、切符……。 そしてそれらの謎を解くたびに、「おじさん」の正体は混沌としていくのであった……。

「奇譚を売る店」「楽譜と旅する男」に続く、「幻想奇譚シリーズ」の3作目にして完結編、らしいです。 語り部の「役者」という特性と芦辺拓さん独特の筆致とがあいまって、 「おじさん」のいる過去に連れていかれるような体験ができますね。

しかしこれ読んで、「楽譜と旅する男」読んでいなかったことに気づきました。

(2022.10.06)


Iの悲劇/米澤穂信 (文春文庫)

★★★☆ 

ローマ数字の「I」だと、ノリリンの「一の悲劇」と被るなあ、と想ったら、「Iターン」の「I」でした。 三浦しをんの地方お仕事小説みたいな感じの入りで、これで殺人事件が起きるのか?と想ったら、別に起きませんでした。

無人になって6年が過ぎた山間の集落・蓑石を再生させるプロジェクトが市長の肝入りで始動。 出世コースから外され「蘇り課」に配属された万願寺。 やる気のない課長と、学生気分の抜けない新人の観山を率いて、移住者たちの支援を担当するが、 なぜか住民は次々とトラベルに見舞われ、一人また一人と蓑石を去って行くのであった……。

各章独立した短編集としても読めますが、連作短編としての仕掛けもしっかりと張り巡らされています。 コメディ色強めで読んでいくと、最終章でひっくり返されますね。

(2022.09.26)


人間じゃない〈完全版〉/綾辻行人 (講談社文庫)

★★★  

綾辻行人の未発表短編を収録した短編集。単行本の文庫化の際に、アンソロジー「七人の名探偵」に収録されていた「仮題・ぬえの密室」を収録したことで「完全版」となったらしいです。

「赤いマント」はまだミステリっぽいですが、「崩壊の前日」は幻想譚、「洗礼」は二重作中作、 「蒼白い女」はホラーと見せかけたロジカル……と見せかけたホラーショートショート、 表題作「人間じゃない」は「患者」シリーズのホラー、 「仮題・ぬえの密室」は推理作家が登場するノンフィクション・フィクション。 短編だと、ホント本格っぽいの少ないですね。

まだ館シリーズの十作目には取り掛かっていないようですが、ちゃんと終わるかな? 「HUNTER×HUNTER」よりは期待が持てそうですが。

(2022.09.21)


殊能将之 未発表短編集/殊能将之 (講談社文庫)

★★★  

1999年「ハサミ男」でメフィスト賞を受賞しデビューした殊能将之。 7本の作品を遺し、2013年に急逝した彼の、未発表の3編の短編と、メフィスト賞受賞前の「日記」を収録した短編集。

「犬がこわい」はミステリっぽい短編ですが、「鬼ごっこ」と「精霊もどし」はミステリでもSFでもない、 何か不思議な話でした。しかし惜しいですね……。

(2022.09.07)


希望の糸/東野圭吾 (講談社文庫)

★★★☆ 

加賀恭一郎シリーズ最新作。しかし本作の主役は加賀の従兄弟である松宮。 父親は死んだと聞かされていた松宮だったが、意外な人物の遺言状に「認知する」と書かれていた……。

殺人事件が起こるのですが、半分くらいで唐突に犯人の自白によって解決します。 しかしそこからが本番。登場人物たちは一体何を隠しているのか? 隠された秘密、そして希望の糸とは?

お互いの認識のちょっとしたずれがすれ違いや軋轢を生み、 そしてそれが解消された時のカタルシスが読後感を爽やかにしてくれますね。

(2022.09.05)


人類最強のsweetheart/西尾維新 (講談社文庫)

★★★  

人類最強シリーズ第4弾にして完結編。今までで一番薄いですかね。

「人類最強のlove song」は、「少女趣味(ボルトキープ)」こと零崎曲識の遺した楽譜をめぐる話。
「人類最強のXOXO」は、昆虫研究者の研究施設でバイオハザードが発生、救出しに行く話。
「人類最強の恋占い」と「人類最強のsweetheart」は、超能力占い師親子を相手に、予言を外させる話。
「人類最強のJUNE BRIDE」は、人の死を100%予言できるAIをどうするか?という話。
「人類最強のPLATONIC」は、3回殺された女子校生の謎を解く話。

ラストは忘却探偵のくすぐりが出てきたりして、忘却探偵シリーズ側に哀川潤がゲスト出演したりすることもあるんでしょうか。

(2022.08.29)


コロナ狂騒録 2021五輪の饗宴/海藤尊 (宝島社文庫)

★★★  

「コロナ黙示録」の続編。単行本はほぼ1年後の2021年9月にリリース。

普通は「狂騒曲」だと思いますが、「録」になっているところが重要なところでしょうか。 後世の人が読んだらスラップスティックコメディにしか見えないような部分も含めて、 ちゃんと記録として残しておくことが重要なのかもしれませんね。

オリジナル部分のワクチンセンターの部分がフィクションなのが、何か悔しいですね……。

(2022.08.24)


コロナ黙示録 2020災厄の襲来/海藤尊 (宝島社文庫)

★★★  

単行本は2020年7月にリリースされていたんですね。爆速だな。

「チームバチスタ」の登場人物と、「ナニワ・モンスター」「スカラムーシュ・ムーン」のワクチン戦争の登場人物をうまく絡めて、 オールスターキャストでお送りしています。

政治・行政の対応が、誇張されてはいるけど、ほとんど史実通りというところが……。

(2022.08.02)


クジラアタマの王様/伊坂幸太郎 (新潮文庫)

★★★★ 

老舗製菓メーカー広報部に務める岸、人気ダンスグループの小沢ヒジリ、都議会議員の池野内。 一見、何の接点も無さそうな3人は、現実の世界でしばしば困難に直面し、乗り越えて来ていた。 そして池野内が言うには、夢の世界で共に戦うパーティーだったと言うのだが……。

夢の世界のRPGのような戦いに負けると現実世界でも大変なことが起こり、 夢で勝つと現実世界の困難に立ち向かう結果が得られる。そんな不思議な法則が存在する(らしい)世界の物語。 はっきりと夢を自覚できているのは池野内だけなので、岸は半信半疑ですが、 色々な困難が襲ってくる内に信じざるを得なくなるという……。

新型インフルエンザを持ってきたのは全くの偶然らしいですが、後付けで何とも言えない現実世界とのリンクが生じてしまいましたね。

(2022.07.13)


ののはな通信/三浦しをん (角川文庫)

★★★  

クールで毒舌な野々原茜と、おっとりお嬢様の牧田はな。女学校で知り合った二人は、秘密の文通を続けるのだが……。

高校生の二人の接近と裏切りにより、崩壊する第一章。大学生になり、再びはなの方からアプローチして文通が再開する第二章。 20年の時を経て、フリーライターとなったののと、外交官夫人としてアフリカのゾンダ(架空の国)に赴任したはなのE-Mailによるやり取りを記した第三章。 そして行方が知れなくなったはなに対する第四章、から構成されています。

第三章が2010年から始まったので、「ああ、大震災が来るんだろうな」と思ってい読み進んでいましたが、 ののサイドよりもはなサイドのゾンダな国勢がどんどん不穏な空気になっていくところが辛かったですね。

(2022.07.03)


りぽぐら!/西尾維新 (講談社文庫)

★★★  

特定の文字を使わずに小説を書く、という「リポグラム」に挑戦した作品。 元となる短編小説は、3編。
高校生の妹がある日クラスメイトを殺してしまったのを発見する兄「妹は人殺し!」。
返せないほどの巨額の借金を背負った主人公が一発逆転の「山崩し」ならぬ「札束崩し」に挑む「ギャンブル『札束崩し』」。
監視カメラならぬ監視カメラがあらゆるところで人々の行動を監視し「善行」ポイントによって支配される逆説的なディストピア近未来を描いた「倫理社会」。

レベル1は、最初に共通フリーワード6文字を指定し、残り40字を10字ずつ4グループに分け、それぞれ禁止ワードとする、というもの(各グループで使用可能な文字は36字ずつ)。
レベル2は、46字から10字ずつ4グループに振り分け禁止ワードとし、余った6文字が共通フリーワードとなる。 各グループで使用可能な文字数は36字でレベル1と同じだが、フリーワードを選べないところが難易度アップ。
レベル3は、46字から10字ずつ4グループに振り分け禁止ワードとし、余った6文字はどのグループでも使えない厳禁ワードとなる。 各グループで使用可能な文字数は30字。

制約が強くて、古文調になってしまったり、関西弁になってしまったのがあったり、良くやるなあ、という感想です。

(2022.06.21)


四畳半タイムマシンブルース/森見登美彦 (角川文庫)

★★★★☆

「四畳半神話大系」と劇団ヨーロッパ企画の「サマータイムマシンブルース」がコラボ! 暑い京都の下宿を舞台に、世界一くだらないタイムマシンの使い方をして、世界を崩壊から救え!

タイムトラベルものは大好きですし、それに大好きな四畳半シリーズがコラボしたら、そりゃ最高な作品になりますよね。 タイムトラベルものの場合、過去の行動で現在がどう変わってしまうのか、みたいなのが見所の一つだった利しますが、 本作ではいかに歴史を変えないように努力するところが見所。初読で違和感を感じたところも、 後からちゃんと辻褄が合うようになっています。 劇場版アニメにもなるそうで、楽しみです。

(2022.06.16)


祝祭と予感/恩田陸 (幻冬舎文庫)

★★★★ 

「蜜蜂と遠雷」のスピンオフ短編集。「○○と××」でタイトルが統一された短編6編を収録。 それだけだとボリュームが少なかったのか、巻末からは「響きと灯り」と題した、 クラシックに関連するエッセイを収録。

やはり風間塵、マサル、亜矢が主人公なんだなあ、ということがわかる短編集。 明石が出てくる短編も読みたかったですね。

(2022.05.20)


蜜蜂と遠雷(上)(下)/恩田陸 (幻冬舎文庫)

★★★★ 

多国籍で恵まれた体を持つマサル、一度音楽界から去った亜矢、コンテスタントとしては最高齢の明石、 天衣無縫な塵。4人の天才を巡る、ピアニストの物語。

登場人物が多いのですが、スムーズに導入されていくのと、登場人物間の関係も含めて紹介されていくので、 すっと入ってきますね。風間塵が「天衣無縫の極み」、マサルが「才気煥発の極み」といった感じでしょうか (かと言って亜矢が「百錬自得の極み」かと言われると、ちょっと違うかな、と)。

(2022.05.15)


殺人鬼がもう一人/若竹七海 (光文社文庫)

★★★  

辛夷ヶ丘警察署生活安全課に左遷されてきた砂井三琴は、身長180cm三白眼の大女。相棒の脂ギッシュな中年田中盛とのコンビで、様々な事件に向かうが、出てくる住民は一癖も二癖もあるやつらばかりで……。

都心まで一時間半の寂れたベッドタウン(という架空の町)辛夷ヶ丘(こぶしがおか)を舞台に繰り広げられる連作短編集。 住民、警察官含めて全員悪人!という毒気たっぷりなブラックコメディミステリ。 コージーミステリが得意な若竹さんが悪意を振りまくとこうなるんだな、という感じで面白かったです。

(2022.05.07)


掟上今日子の家計簿/西尾維新 (講談社文庫)

★★★☆ 

忘却探偵シリーズ第7弾。「掟上今日子の叙述トリック」という作品も収録されていますが、 叙述トリックが使われているのは他の作品という……。

(2022.04.24)


歌舞伎座の怪紳士/近藤史恵 (徳間文庫)

★★★  

かつての職場でセクハラ・パワハラに逢い、メンタルを病んでしまった久澄。 働く母と同居し、弁当を作ることと姉の犬の世話をすることで収入を得る日々だったが、 祖母から代わりに観劇をしてくれないか、というバイトの話が舞い込む。 初めて触れる歌舞伎、オペラ、演劇。それらの体験が彼女をまた外の世界へと誘う。

観劇していると必ず現れる謎の紳士と、そこで出会う「日常の謎」系の話。 しかし近藤さん作品らしく、主人公以外も結構色々と闇を抱えていたりして。

(2022.04.18)


歩道橋シネマ/恩田陸 (新潮文庫)

★★★☆ 

恩田陸さんのノンジャンル短編集。日常の謎あり、ホラーあり、ミステリあり、SFあり。 ページ数も30Pくらいのものから、10P未満のショートショートまで、色々18編を収録。

「再鎖国」した未来の日本で、西洋文化に関する知識が失われ、12/25に「冬至祭り」という、 赤い服を着た「三田」と呼ばれる男が、土を詰めた靴下を手に「悪面(アーメン)悪面(アーメン)、悪い子はいねがーっ」と叫びながら家に侵入してくる風習はどこから来たのか? を色々考察しながら解き明かそうとする「柊と太陽」が面白かったです。

(2022.04.08)


言語が違えば、世界も違って見えるわけ/ガイ・ドイッチャー (ハヤカワ文庫)

★★★★ 

言語が違うことは、人々の認知に影響を与えるのか?という考察。

「言語は鏡」「言語はレンズ」。面白かったです!

(2022.03.27)


人類最強のときめき/西尾維新 (講談社文庫)

★★★  

「人類最強」シリーズ第3弾。これまで宇宙人やら海底人やらと戦ってきた「人類最強」ですが、 今回の敵は、超絶スピードで成長・進化する植物、そして読むと死ぬまで読んでしまう小説。 もう人間では相手にならないので、敵がどんどん化け物時見て来てますね。

さらに短編「哀川潤の失敗」も3編収録。

(2022.03.07)


帝都探偵大戦/芦部拓 (創元推理文庫)

★★★  

江戸時代の「探偵」達が活躍する「黎明篇」、戦前の不穏な空気の中大戦を阻止しようと探偵達が暗躍する「戦前篇」、 そして戦後の財閥御曹司入れ替わり事件を阻止するべく探偵達が暗躍する「戦後篇」、 さらにボーナストラックとして鮎川哲也先生の2大探偵が競演するパスティーシュ「黒い密室」を収録。 登場する探偵の数は50人!

明智くんとかの有名どころ以外はほとんど知らない探偵ばかりでしたが、楽しめました。 最後に探偵図鑑もついています。

(2022.02.15)


早朝始発の殺風景/青崎有吾 (集英社文庫)

★★★☆ 

高校生たちを主人公たちにした、「日常の謎」系連作短編集。

始発電車に乗り合わせた男女が互いの目的を探り合う表題作「早朝始発の殺風景」。
女の子3人組がファミレスでダベっているうちに秘密が明らかになる「メロンソーダ・ファクトリー」。
3年生の追い出しに来た遊園地で何故か同性の後輩と観覧車に乗るハメになる「夢の国には観覧車がない」。
両親が離婚してそれぞれの親の元で暮らす兄妹が久しぶりに会った時、妹は捨て猫を拾っていた「捨て猫と兄妹喧嘩」。
風邪をひいて卒業式に出られなかったクラスメイトの家に卒業証書とアルバムを届けに来たクラス委員が気づいた秘密とは?「三月四日、午後二時半の密室」。

各話に共通の登場人物はいませんが、表題作のボーナストラック的な「エピローグ」で全員カメオ出演しているのがいいですね。

(2022.02.01)


ジグソーパズル48/乾くるみ (双葉文庫)

★★★☆ 

私立曙女子高等学校の生徒が登場人物の連作短編。 「ラッキーセブン」「GIVE ME FIVE」「三つの涙」「女の子の第六感」「マルキュー」「偶然の十字路」「ハチの巣ダンス」 と各話のタイトルに数字が入っており、その数字の数だけ主要人物が紹介されています。 そして全部足すと48になるという趣向。

いきなり生徒会を舞台にしたデスゲームが始まるという突拍子もない展開ながら、中身は超ロジカル。 そしてラストではアクロバティックな叙述トリックが。 乾くるみさんらしさが良く出た連作短編でした。

(2022.01.23)


こうして誰もいなくなった/有栖川有栖 (角川文庫)

★★★  

有栖川有栖のノンシリーズ作品を集めた短編集。最短2ページの超短編から、中編となる表題作まで、 ジャンルもホラーやファンタジーからミステリまでバラエティ豊かに収録。

表題作はクリスティの「そして誰もいなくなった」の本歌取り。 探偵役が火村でも江神でもないのを見るのはなかなか新鮮ですね。

(2022.01.12)


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