漫画の部屋

ジャンプの部屋・赤マルジャンプ2008 SPRING感想

GW合併号中に出た赤マルジャンプ。しかしバランス的にジャンプ次号発売まで間が無いので、今回は主力作品のみの感想になるかも…。

(2008.05.11)
新人作品の感想を追加しました。

秘蜜のヤミー／西義之

巻頭カラー、56P。
「ムヒョとロージーの魔法律相談事務所」終了後、初の読み切り。
ナウシカのような荒廃した近未来を舞台に、僅かな住処で生き続ける人類。そんな人類を救うのは、機関師(からくりし)の機関術(からくりじゅつ)だった。
うーん、「魔法律」が「機関術」に変わっただけで、新鮮味無し。主人公・ヤミーも、ムヒョとは大分変えてきたつもりなんでしょうけど、マイペースっぷりはやっぱりムヒョと共通しているよなあ、とか思ったり。
「機関術」に関しては、結構練ってあるようにも感じましたが、「永久機関師級」だとか「転生機関術」「復元機関術」などの機関術間の強さの関係だとか、読み切りの間尺で伝えるのはちょっと無理がありますよねえ…。
巻末コメント＞「後味爽快を目指し尽力も毒は抜けずです(笑)」
まあ、これが西先生の味だからいいんじゃないでしょうか。ただ、次はもうちょっとムヒョっぽさからの脱却を図って欲しいですね。

銀魂洞爺湖サミット2008

銀魂の作者・空知英秋、銀魂前編集の大西、銀魂現編集の斉藤に加え、なぜかスーパーバイザーとして「メゾン・ド・ペンギン」の大石浩二を加えた4人による、「銀魂をどうすればもっと面白く出来るか」の座談会。活字メインで7P。
こういう企画が通るところが銀魂だよなあ、とあらためて思う。
最終的にみんなの意見を融合して出来上がった女の子キャラクター・中島未華子のカオスっぷりに驚愕。このキャラを本編で出したら、空知先生を本気で尊敬する。

赤マルJ恒例！袋とじ番外編スーパースペシャル(1)

ToLOVEる―とらぶる―番外編：バス・ラブ・大トラブル／漫画：矢吹健太朗・脚本：長谷見沙貴
- 赤マルでは風呂。というわけで、泡少し少な目にして風呂復活。
- レンが男湯に、という先の展開が読め過ぎるプロットに漢を見た。
家庭教師ヒットマンREBORN!番外編：ちっぽけ情報／天野明
- わずか1Pで2コマ×3編。
PSYREN番外編：HOLIDAY PSYREN／岩代俊明
- 日曜日、雨宮さんとデート。でも当然のようにヒリューも来ていた…。
- 休日もやっぱり雨宮さんは雨宮さんでした。
ぬらりひょんの孫番外編：実録奴良組史本家抗争編／椎橋寛
- リクオの小学校のお供を誰にするか？決定戦。
- 毛倡妓の生着替えとか、雪女のランドセル姿とか、番外編ならではのサービスっぷりが充実。
- オチの青田坊もバッチリ決まってました。こんな小学生嫌過ぎる…。
ぼくのわたしの勇者学番外編：まさゆきの絵描き歌／麻生周一
- 4ページ引っ張るのはちょっと辛かったかも…。
おまけ～勇者部による袋とじ大予想!!
- 立ち読み対策？袋とじの特性を活かした面白い企画だと思います。

透明少年／板倉雄一

センターカラー、49P。
「HAND'S」終了後初の読み切り。
「俺なんか消えてしまってもいいんじゃないか？」と思った男子高校生が、本当に自分の姿が消える魔法の鏡を手に入れる。しかしその鏡には大きな落とし穴があり…。
結局万引きと覗きしかしてないのか。まあ姿が消せてできる犯罪ってそんなもんかもしれないけど。
書きたいテーマはわかるし、王道の展開ではあるんですが、主人公のゲインとペナルティと葛藤と結果とのバランスが、釣り合っていないような…。そのせいでどうにも主人公に感情移入しにくい読後感になってます。

赤マルJ恒例！袋とじ番外編スーパースペシャル(2)

エム×ゼロ番外編：魔法はワンダフル…の巻／叶恭弘
- 伊勢達スケベ3人組が、犬に変身して女子のスカートの中を狙う。
- 変身魔法って、他人を変身させることも出来るんですね。
サムライうさぎ番外編：よいこのどうわうらしま伍太郎／福島鉄平
- 浦島太郎のカメが摂津で、太郎が伍助だったら…。
- サムライうさぎの女性陣総出演、という感じですね。志乃、サユキン、キク、スズメ、薄雲、か。
SKET DANCE番外編：ビスケットダンスみんななかよしの巻／篠原健太
- SKET DANCEの面々が幼稚園児だったら…。チュウさんの幼児化薬のエピソードからの連想でしょうか。
- スイッチがらしかった。
ダブルアーツ番外編／古味直志
- 新連載ながら、袋とじ番外編を獲得。正統派の番外編らしく4コマ×4編の構成。
- エルーの寝相の秘密が、本編よりも詳しく明かされたのは良かったです。
バリハケン番外編／鈴木信也
- こちらは、本編で使われていても違和感無いくらいのおんなじ構成。うーん、もうちょっと番外編っぽい話が読みたかったかも。
私立ポセイドン学園高等部番外編：小江先生／大江慎一郎
- 作者自身の分身・小江先生を招いての、自虐ツッコミネタ。
- これで次の改変期で終わったら、痛々しすぎるんですけど…。可能性は高いよなあ…。

クオンタム・ツイン／中島諭宇樹

センターカラー57P。
「切法師」後、赤マル2006SPRINGの「トルネードジャンクション」、赤マル2007SUMMERの「紅-kure-nai-」のコンテ構成を経て、の読み切り。
メガネっ娘委員長・鼓宵を幼馴染に持つ暁児は、かつて鼓宵を護れなかった引け目から、全てにやる気を無くし、無気力な学生生活を送っていた。そんな折、科学部部長・高天原ひかるの実験により、暁児は「量子的な双子(クオンタム・ツイン)」に分かれてしまう。
ファンタジー封印！ということですが、SFだったら結果としては同じなんじゃ…と思いつつも、一応現代高校、というところがポイントなのかな。
こちらも、描きたいテーマはよくわかるんだけど、灰谷先輩の悪さが余りにも悪過ぎてちょっと引くなあ。
まあ確かにこれくらいのピンチがないと、二人が協力して解決する、というプロットに繋げるのは難しいのかも知れないけど、なんかせっかくの「クオンタム・ツイン」という設定を、あまり活かし切れていない気がします。
メガネっ娘委員長は良かったです。

残りの作品は、余力があれば週末にでも…。

(2008.05.08)

FOO FIGHTER FUJI／三代川将

宇宙からやってきたお姫様・ユワに、宇宙船に改造された高校生・富士。お姫様の許婚を名乗る宇宙人たちの襲撃に遭い…。47P。
Sアクションを交えた、ツンデレお姫様とのSFラブコメ。「ロマンなんて結局想像の産物なんだよ！」と力説する主人公が良かったです。

6月の魔物／丸山貴之

フライングの失敗から、勝負となると本気で泳げなくなってしまい、部活にも顔を出さなくなってしまった市川友作。そんな市川の正体は、2分6秒66で泳いだ幻の選手「6月の魔物」ではないかと疑う、顧問とライバル・湯舟。幼馴染み・伊丹の励ましは友作に届くのか？45P。
200m個人メドレーとはまたマニアックな選択ですね。クロール50m息継ぎ無しって、どのくらい現実的なんでしょうか。

マジコロ／片山陽介

魔法使いと使い魔が溢れる世界で、魔法使いの最強を決める「魔法舞踏会(マジコロ)」。ダムで沈む村を救うために、マジコロでの優勝を目指しやってきた新人魔法使いのミロだったが、彼の召喚魔法で呼べるのは変な物ばかり。果たして優勝できるのか？45P。
絵はまだ未熟。おせっかい焼きの兄貴が、いつの間にか一人になっているところとか、最初はかなり混乱しました。
それまで召喚していた変な物が最後の伏線になっているところは良かったです。

なまくら／春日真

斬り過ぎた父親にかけられた呪いを受け継ぎ、形あるもの一切を斬れなくなってしまった龍翔。巫女の千を守るため、護衛を買って出た龍翔だったが、「巫女の嫁入り」に秘められた恐るべき秘密とは…。49P。
基本線は幼馴染みとの恋愛もの。そこに「形ある物は一切斬れない」という呪いを、うまいこと絡めてます。
しかし村人達の壮絶イジメがちょっと洒落にならないレベルなような…。

喰王オメガ／山本貴也

「音速喰」の称号を持つ大喰いチャンピオン・オメガ。囚人やオカマ、エイリアン達の挑戦を受けたオメガだったが、スランプに陥ってしまい…。45P。
今流行りの大喰い・早喰いバトルを、少年マンガにするとこうなるってことでしょうか。アメリカ人女性、囚人、ジャングル先住民、ライオン、宇宙人、オカマ、とエスカレートしていく挑戦者に笑った。で、なぜかオカマが最強なのも笑った。
やってることはバトル漫画そのまんまなんですが、やっぱり食べ物を粗末に扱っている感が拭えないので、あまり入り込めませんでした。

AMPHISBAENA―アンフィスバエナ―／渡辺一平

大阪生まれのピッチャー楽人と、元引きこもりのキャッチャー・鏡四郎。二人は、絆を確かめるために、他の野手に一切ボールを渡さない「アンフィスバエナ(双頭の蛇)」というゲームを仕掛けるのだが…。49P。
相手の弱点を見抜くリードと、そのリードどおりに寸分の狂いも無く投げる技術のみで、勝ち抜いていくバッテリーの話。最近の流行り？
さすがにここまで濃い絆だとちょっと不気味ですが、そこがこの漫画の味なんでしょうね。

Dr.DEAD／榊ショウタ

生きる機体人造人間「ファミリア」。身体能力で遥かに人間を上回る能力を持つ彼らだったが、無政府主義者の軍隊として利用され、人類は滅亡の危機にさらされていた。ファミリアを開発した科学者Dr.エルウッドの助手・Dr.リンの娘・キクチヨは、奇妙な男と出会うのだが…。45P。
近未来SFアクション。人類の作った物 vs. 人類の戦い、という典型的パターンですが、主人公キクチヨとのやり取りが軽妙でなかなか面白かったです。
結局Dr.エドとDr.リンの関係は曖昧なままなんですが…。